より広い服の世界

一般人に、どこで服を買う?と聞いたら、ユニクロ、GU、wego、レイジブルー、、、などショッピングモールに入っている店をあげる人が多いと思う。それらは所謂「ファストファッション」である。

 

私は最近「プレタポルテ」の魅力に気づいてしまった。それには、「高級既製服」という日本語訳が与えられる。こちらは、ショッピングモールではなく、百貨店に入っているような服のブランドになる。

 

プレタポルテ」「ファストファッション

 

値段以外はどんな違いがあるのか。

 

ファストファッションがファスト(fast=速い)と言われるゆえんは、服のラインナップの移り変わりが速いことにある。1年に、2.3ヶ月のスピードで徐々に商品が入れ替わる。

 

これに比して、「プレタポルテ」は1年に2度だけと決まっている。春夏、秋冬の2度だ。この2つのタイミングはまさに、コレクションがある時なのだ。パリコレクションが最も有名だろうが、コレクションの時期に合わせて、デザイナーは革新的な服のデザインを創造してゆく。

 

服の流行はこのプレタポルテが源流なのだ。プレタポルテのデザイナーはゼロから服を創造する。それにより生み出された服は、周知の通り門外漢からは同感を得難い奇妙で奇抜なものが多い。

 

一方で、ファストファッションででてくる服は、このプレタポルテの持つ部分的な要素を引っ張り出し、よりウケが良いものにシンプルに再編成すると言ったものだ。こちらはゼロからというより、イチからと言えるだろう。

 

この再編成が行われる過程では、元々プレタポルテが持つ芸術性、メッセージ性は失われてゆく。私はファストファッションに芸術性は感じられない。

 

むしろ、プレタポルテの、一見理解しがたい奇妙なデザイン、こちらの方がひかれるものが大きい。